クレジットカード情報窃取の知能犯! 女性をスイートルームに誘うため??

世界で稚内が一番大好きな大学教員、アーサーこと浅川晃広です! 稚内で移住希望者向けのシェアハウス「キックスタート!」を経営しています。

 

本年9月11日の産経新聞に「客のカード情報入手容疑 比人逮捕、9百万円被害か」という記事が掲載されました。

 

要約すると以下のような事案です。

 

①あるフィリピン人がステーキ店に勤務していた。

②テーブル会計の際に客が出したカード情報(番号、有効期限、裏の3桁、氏名)を「記憶」し、後にメモしたものをスマホ撮影

③そのカード情報を使って、パレスホテル東京やザ・リッツ・カールトン東京のスイートルーム代の支払いに充てた。両者で合計約75万円。

④ゴールドカードを意図的に狙った。

 

もちろん、犯罪は犯罪で容認できないのですが、よくメディアを賑わす様々な犯罪と比べると、犯人の知的水準が著しく高いのです!

 

まず「テーブル会計をするステーキ店」でありますので、よもや「びっくりド〇キー」や「ブ〇ンコビリー」などのチェーン店とは考えにくい。最後のコーヒーが終わった段階で、「お会計」というと、伝票を挟んだ板(すみません、名称がよく分かりません)を持ってきて、それにクレジットカードを挟んで手渡す、といったものでしょう。それなりの価格帯の店ではないと、このような方式にはなりません。

 

そうであるがゆえに、顧客層の社会経済的地位も高く、となるとカードの限度額も高く、④のようにゴールドカード保有率も高いのでしょう。また記事中では「被害者らは「頻繁にカード決済をしているので、どこで情報を盗み取られたか分からなかった」」とあり、そもそもカードの請求額が高い富裕層で、せいぜい10万円程度なら「埋没」してしまってなかなか露見しにくいのでしょう。また、そうした人々がイチイチカード明細を確認するとも考え難い。

 

といったように、ターゲット設定という意味では、明らかに成功しており、この犯人の知能水準の高さがうかがわれます。またおそらくは高級な店で、よもやカード情報が盗まれているとも考えにくいです。通常であれば、あまり高級でない店で、スキミングの手法でカード情報を読み取るのが、通常の手法かと思われます。(この場合のカード利用者の支出は低いため、高額のものを買ってしまうとすぐにばれるのでしょう。)

 

次に、実際に3次元のカードが必要な場面ではなく、カード情報を入力すれば事足りるネット予約等に使ったようです。確かに、物理的なカードに書いてある情報すべてがあれば、ネットでカード決済はできてしまいます。今後の再発防止措置としては、ネットの場合でも設定している暗証番号の入力が必要なようにすることがあり得るでしょう。この点も、なかなか考えられています。

 

あと、その盗みとったカード情報の使い方が、なかなかに「粋」なのです。特に「パレスホテル東京やザ・リッツ・カールトン東京のスイートルーム」の宿泊に使ったという点です。普通であれば、換金性が高いモノを買ってそれを転売して、現金を入手する、という手法が思いつきますが、「サービス」を得るために使ったところが大変興味深いです。

 

記事中では「友人らを宿泊や飲食などに誘っていた」とありますが、この「友人」とは如何なる友人か? 勝手な妄想ですが、お目当ての女性を誘って高級店で食事、いい気分となってきたところで、「リッツ・カールトンのスイートルームを予約してるんだよ」ということで「落とした」という可能性も十分にあるのではないでしょうか? しかも「友人【ら】」と複数であるところ、実は、この犯人、なかなかの「やり手」なのかもしれません!

 

別の妄想としては、将来ホテル業界で身を立てることを考えており、最高級のサービスを受けることで、勉強しようとしていたのかもしれません。

 

この手法、なかなか日本では思い浮かばないところですが、犯人の母国のフィリピンではよくある手法なのかもしれません。テーブル会計の際のカードの手交には今後気を付けたいところですが、なかなかの知能犯ぶりは、非常に印象的なのでした!